我妻教育〜番外編〜
そうなの!
素敵なのよ孝さまは!

私は内心で同意しつつ、この兄弟の行方を見守っていた。



桧周さんは、目を伏せてはにかんだあと、また視線を若葉くんたちに向けた。



「来年にさ、海外の工場に行くまでの間に、グリーン☆マイムの活動に参加したいって思ってた。

今思えば別にグリーン☆マイムじゃなくても良かったのかもしれねェ。

もちろん、グリーン☆マイムの活動には心底賛同してっけど。

ただ根底は、親父の世界とは違う場所で何かをしてみたかっただけなのかもしれない…って。


これをしたい!って強く思ったこと、今までの人生でなかったことだったからさ。

これだ、と思う“何か”を見つけて、行動した、ことが羨ましくて、孝市郎さんがすげぇ輝いて見えた。

同じ世界に飛び込んだら、同じように輝けるんじゃないか、って。

漠然とだけど、何か変わるかなァって。

親父に与えられてきた人生観とか価値観とかさ。

上手く言えねェけど。

親父から逃げて、少しだけ冒険してみたかったのかもなァ…」

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