我妻教育〜番外編〜
と、言いながら桧周さんは頭をかいて苦笑いした。



「孝市郎さんとこ、行かなくて良かったのかもな。

社会人って、思ってたより大変でさァ…。

来年いきなり海外で社会人デビューなんて、無謀もいいとこだったよ。

この一年で、出来る限り社会人としてのイロハを身につけとこうって、今は思ってんだ。

孝市郎さんからもらった写真集、すげぇ良かった。

だけどもう、別世界だ」



考え込むように黙ったままの若葉くんに、桧周さんは仕切り直すような視線を向けた。



「何度も言うけど、お前らの為にしたいことを無理に諦めたとは思ってねェ。

疲れて見えるんだとしたら…、それは、オレが仕事をナメてた証拠だ。

ただ未熟なだけだから」

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