我妻教育〜番外編〜
これでこの兄弟は、大丈夫ね。


他人の私も温かな気持ちがした。



「来年までまだ少し時間はあるから。

今後のこと…、どっちの親と住むかとかは、ゆっくり話し合って決めていこうな」


桧周さんは、弟妹の心中慮るように優しく諭した。



どうしようもないこと。
仕方ない。

そんな沈んだ表情のまま、若葉くんは浅くコクリとうなずいた。




「急にコイツらが押しかけたりして、ご迷惑かけて、すみませんでした」


改めて桧周さんは、綾人さんに向かって頭を下げた。



「嫌だな。
迷惑なんてかけられてないよ。

僕は、若葉くんにキャッチボールを習っただけだよ」


綾人さんは、首を傾げて否定した。

恐縮した顔の桧周さんの腕をポンポンとして、

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