我妻教育〜番外編〜
良いことをしてやった、とでも言いた気な兄の口調。


兄なりに、気でもきかせたつもりなのかしら。



もう桧周兄弟は、仲直り済みなんだけれど。



桧周さんも今夜はお仕事は終わったようだし、まぁ、良いかしら。



兄の粋なはからいに、焼肉屋さんへは、桧周さんが同行することとなった。

(結局、お支払いは桧周さんが強く払うとおっしゃられたから、甘えさせて頂いたのだけれど)



綾人さんも誘ったけれど、ご用があるということでご一緒できなかった。



ご一緒できないことに、少し残念な気がした。


綾人さんと、もう少し話をしてみたい。


反面、これ以上関わるのも怖い気がしている。



私が表には出していない感情を読み取られてしまうんですもの。


油断ならないわ。



これ以上話をしようものなら、私の心の全てを見透かされてしまうかもしれない。


…なんて、言い過ぎかしら。

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