我妻教育〜番外編〜

「未礼さんは、お料理上手なんだよ♪ね♪」


萌花さんは、私の腕にくっついて腕を絡ませて背伸びしながら未礼嬢に話しかけた。



「そう？ありがと〜。
琴湖ちゃん、萌花ちゃんもテレビでも観てゆっくりしててくれたらいいんだよォ」



そう言われたけれど、何もせずにいるのも逆に気をつかってしまう。


「いいえ。何か手伝わせて下さいな」



「そお？いいの？ありがと〜。

じゃあ、このジャガイモむいてくれるかな？」



萌花さんと並んでジャガイモの皮をむく。


横で包丁を使う未礼嬢の短く切り揃えられた爪に目がいった。


よく見ると、指先が荒れている。


年頃の女性だというのに、ネイルの一つでもすればいいのに…。



「琴湖ちゃん、中等部楽しい？」


フイに話し掛けられた。