我妻教育〜番外編〜
「どうして、お嬢様がアルバイトを?」


純粋な質問をした。


だって、金銭的な不自由はないはずの方だもの。



「お金じゃなくて、食の現場での経験も大事かなって。

まだまだ食材の下処理ばっかで全然料理なんてさせて貰えてないけどね」



未礼嬢が火にかけていたお鍋から、良い香りが漂ってきた。



ちょうど桧周さんも帰宅して、食卓に美味しそうな食事が次々と並べられた。



未礼嬢の作ったお料理は、どれも本当に美味しかった。



出来ることが、コレしかない、なんて謙遜することなどない。


コレだけあれば、もはや十分な才能だわ。

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