我妻教育〜番外編〜
何とも対応に迷う私とは逆で、当の未礼嬢は過去のお話を特にためらう様子もなく、表情も終始明るい。


「それまでは、ユッキィ(桧周さん)とは、同じクラスになったことあったけど、特別話すような関係じゃなかったよねェ。
ただのクラスメイトって感じ」



桧周さんは、懐かしげにウンウンうなずきながら、


「そう。オレもコイツ(未礼嬢)も、街中でさ迷ってるときに、よく顔合わすようになって。

オレがここに住むようになって、コイツも呼んだんだ。

『行くとこないヤツらが集まってる、ウチにくれば?』ってさ」



「行くとこないヤツら…?」

私は首を傾げた。


「ああ。オレと、若葉と萌花。

あと、九地梨(クチナシ)と釈屋久(シャクヤク)」

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