我妻教育〜番外編〜
「大親友か…。

僕も、君ぐらいの歳のときは、そんなこと考えなかったな。
ただ気が合うってだけで人と繋がっていたよ。

大丈夫。
心配しなくても、いつか“この人”だって分かるときがくるよ」



「それは新しく出会うのかしら?
それとも出会っている人の中からかしら?」


聞きながら滑稽だと思った。

聞いても無意味だわ。

綾人さんに分かるはずないことなのに。


それでも、何か答えてくれるのではないかと、期待してしまう。


綾人さんってそういう人だから。



「答えになってるか分からないけど、出会って意味のない人なんて一人もいないと僕は思ってるよ」


夕日が綾人さんの柔らかな髪を金色に縁取った。


吸い寄せられるほど美しく、思わず見とれた。

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