我妻教育〜番外編〜
「はい。ありがとうございます」


カバンを抱えてお辞儀をしたとき、カバンに付けていたストラップが揺れた。


綾人さんはフッと笑って指をさした。


「つけてるんだ、そのストラップ」



「ええ。孝さまから頂いた大切なお守りですから」


私もニコリと微笑み返して言った。


「魔を払って頂きたいんですの」



「魔?」


綾人さんは不思議そうな顔をしたけれど、私は努めて平然ともう一度お辞儀をし、


「では、お邪魔致しました」


グリーン☆マイム本部を後にした。




知られたくないことだってある。


なのに、話したいとも思う。


いっそバレてしまえば楽かしら。


でもダメよ。


…だけど、抵抗もあるけれど、きっとまたここに来てしまうんだわ。

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