我妻教育〜番外編〜
「私は、知りませんわ。何も」


仲良いといっても、特別良い訳じゃないわ。

たまに食事するくらいよ。


一緒に食事をしたのだって、若葉くんたちがいたあの朝。

あれだって一ヶ月ぶりくらいだった。


それに、お兄様は普通に元気そうだったわ。



今更、『“どうやら”家にも帰っていない“よう”』という曖昧な言い方だなんて……。




使用人のもと規則正しい生活を送る私は、それぞれ仕事をする家族とは生活パターンが違う。


家族の帰りを待つことはない。


だって、地方やら海外やらに仕事に行き長く家を空けられることなんてザラなんだもの。



私も、家族も、どれだけ普段同居する家族に対して無関心かを思い知った。

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