我妻教育〜番外編〜
竹小路流の家元は、基本、家元の実子が継いでいく、代々そういうしきたりだった。


父の子は、兄の善彦、姉の榮華、そして私。



兄が破門されたら、すでに姉は破門されているから、そしたら家元の座は……………





『次期家元は、琴湖ってことだね』


電話の向こうの姉が言った。



「お姉様。冗談はよしてくださいな」


『冗談なんか言ってないよー。

だって、えーっと、3…いや、4日?5日だっけ?
それぐらいサボってんでしょ兄貴の奴。

クビだクビ。仕事ナメてる』


姉の榮華は、どーしよーもないね。とハァーとため息をついた。


身一つで生計を立てている姉は、仕事に関する考え方はかなりストイックだ。

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