我妻教育〜番外編〜
『琴湖はあんま知らないか。

さすがに今回みたいに何日もサボるなんてなかったみたいだけど、今までも何度か仕事サボったことあったみたい。

父さんも母さんも結構頭抱えてたみたいよ』



知らなかったわ。

ただ、さほど驚きはしなかったけど。


なぜなら、兄は精力的にバリバリと仕事をするタイプではないとは思っていたから。

よく怠そうにあくびしながら庭を歩いている姿を見かけていた。



『さすがの兄貴も家元になったらしっかりしてくれるだろうって期待もあったみたい。
だから、まだ若いのに継がせようとしたのよ。

父さん持病あるでしょ?
まだ元気なうちに引退して、兄貴が一人前になるまでサポート役にまわって育て上げるつもりだったようね』


「そうだったんですか。
そういうつもりで…」

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