我妻教育〜番外編〜
伯母さまは、

「これから講演会があるの。

近くまで来たものだから、寄らせていただいたのよ」


「まぁ。さようですか」



「それより。善彦さん、お風邪ですって?

随分と伏せてらっしゃるようで、少々心配になりましてね。

お加減はいかがかしら?」


心配しているような口ぶりだったけれど、何かを探りにきたということは、含みを帯びた語尾でわかる。



一瞬、牽制し合うかのごとく母と伯母さまは沈黙して見合った。


「ご心配おかけしております。すぐに良くなりますわ」


母はニッコリ微笑んだ。


負けじと伯母さまも微笑む。


「善彦さんにお会いできる?」

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