我妻教育〜番外編〜
「僕の気のせいかな?だったら良いんだけど。

何だかひどく思いつめているような顔に見えたから」


綾人さんは、その繊細な瞳で私の顔をのぞいた。


「……」


完全に言葉を失ってしまった。


視界がユラユラとする。


そう、図星過ぎて、涙が出そうだった。




「今から事務所(グリーン☆マイム本部)に戻るとこなんだけど、よかったら紅茶でも飲んで行く?」


綾人さんは、近くに見える松葉学院大学の方を指さした。


「…い、いえ」


「遠慮しなくていいよ」



返事の代わりに首を振った。

こぼれそうになる涙を何とかこらえ、深呼吸する。


ああ、やっぱり綾人さんの前では、私は上手く嘘をつけそうにない。

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