我妻教育〜番外編〜
兄は、家と婚約者を捨て、他の女性との結婚を望んだ末に、婚約者に刺された。



姉からの電話を切ってしばらく茫然としていた。


姉の言葉を疑うわけじゃないけれど、とても信じられなかった。


心臓がバクバクして、頭が混乱して整理できない。



刺しただなんて!!


あの聡明な小百合さんが、まさか!!



…ああ、でも、かすり傷で済んで本当に良かった。



いてもたってもおられず、私はホテルを出て、タクシーに乗り自宅へ向かった。


現状をきちんと把握したい。


のけ者なんてまっぴら。


私だって竹小路家の一員なんだから。


直接両親と話がしたい。

兄とも会いたい。


姉が、今日は両親も兄も小百合さんも家には戻らないと思う、と言っていたけれど。

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