我妻教育〜番外編〜

大の大人に容赦なく取り囲まれ、

「ねぇ、君、答えてくれないかな？」

と、まるで責めるように答えをせかされ、圧倒され縮こまった。


この場から身動きが取れなくなり、家に戻ってきたことを心底後悔した。



怖い。



何なのこの人たちは。


嫌！！


困り果て、下を向く。



ちょうどその時。


向こうの方から女の子の叫ぶ声が聞こえてきた。


「あー！善彦お兄ちゃんが帰ってきたよぉー！
お帰りなさぁーい」



え？兄が帰ってきた？！


「あ！あの車じゃないか？！」

と、記者たちが一斉に声のする方へ駆けて行った。

声のする方向から、車がやってくるのが見えたから。


「善彦氏は乗ってるか？！」

やじ馬たちも車の方に注目した。