我妻教育〜番外編〜

昨日今日の話だというのに、海外にいる啓さまがもう知ってらっしゃるなんて。


「−あら。驚きましたわ。

啓さまがゴシップに興味がおありだったなんて」



意外。と思っていたら、啓さまは小さく咳ばらいして言った。


『…いや、正直に言うと、教えてくれたのはジャンだ』


「ジャン？」



『ああ。ジャンが琴湖のことを心配していた。

兄上の件で琴湖が気に病んでいるようだが自分にはどうしていいかわからない、と。

私ならば、琴湖に何かしてやれるのでは…と。

そのようにジャンから連絡をもらったのだ』


「まあ…」


それでわざわざ電話をくれたのね。


『こんなに離れていては、してやれることは限られていて申し訳ないが…。

私に何かできることがあるなら、言ってくれ』


「ないですわ」