我妻教育〜番外編〜
未礼嬢は、何かを悟ったように、しばらく考えてから、


「琴湖ちゃんの焦る気持ち、あたし、すごくよくわかるよ」


声のトーンを抑えて、真面目に答えてくれた。


「あたしも、ずーっとほんと何にもなくて。
嫌になっちゃうくらい、途方もなくて。

でもね、ユッキィに出会って、啓志郎くんに出会って。
それで18になって、やっと見つかったよ」


言葉には重みがあった。


それは、未礼嬢の実体験だからだ。


「だから、琴湖ちゃんも、焦らないでいいんだよ。

絶対見つかるから。あたし、約束する」



声は温かく、染み入るように、私の胸の奥の温度を少し上げた。


見つかるだろうか、やりたいことは。


見つけられたとしたら、


「…私も、貴女のように輝けるでしょうか」

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