我妻教育〜番外編〜
「梅乃木。家にまで来て、何の用だ」



翌日、眉間にシワをよせた啓志郎に睨まれた。



予想通りの展開だ。


もちろん返事は用意してある。



「近くまで来たからサ、寄ってみたんだ。

いやぁ〜、初めて見たけど、噂通り素晴らしいお屋敷だね!

庭に、大きな松の木があるんだって?

ぜひ見せて欲しいと思ってね」


あくまで、目的はふせておかないとね。



「断る」


啓志郎は、不機嫌な眉間のまま、即答した。



「なぜだい?」


「友人でもない者を家に上げるつもりはない」




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