我妻教育〜番外編〜

家業だからと、華道だけしていたら、私は将来どうなるのだろう。



両親は私に継がせるつもりはないと言ったし、母は私を嫁に出すつもりでいる。


かつて、こう言った。


《琴湖はお嫁さんになるのよ。

お母さんが、最高の男性を見つけてあげるから》



それは、私にとっての《最高》ではなく、我が家にとっての《最高》だということは幼心ながら理解していた。



だから恋なんてしたって無駄。
と、そんな無駄なことではしゃぎ騒ぐクラスメイトたちから一線を引いたりして。



今回の一件で、兄は、今後親戚などの反発から家元に就くことがきっと困難になる。


特に、左都子伯母さま派の勢力が勢いを増すに違いないから。