我妻教育〜番外編〜
私の話を聞いたあと、桧周さんは、しばらく考え込んでから言った。


「…少し考えていいか?」


「ええ。もちろんですわ。
しっかりと考えて下さい」




さっそく私は【冒険】に必要な準備に取りかかった。


まず翌朝(夏休み初日)から、体力をつけるためにウォーキングを始めた。



そのあと図書館へ行き、その手の類いの本を手当たり次第読みあさる。


図書館が閉まると本屋に行き、何冊か見繕って購入してから、帰路についた。



私は、自宅に戻ることにした。



やらなければならないことが、たくさんあるから。


やることのためには、居心地の良い場所で甘えてるわけにはいかないから。



自宅前には、まだやじ馬がいたけれど、臆することなく門をくぐる。


なぜなら、ここは兄の家だけど、私の家でもあるのだ。

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