我妻教育〜番外編〜
何も言えずにいたら、


「さあ、帰るわよ!」

母は、私の手首をつかみ引っ張った。


私は首を振って抵抗した。



「いい加減になさい!」


母は手を振り上げ、私の頬を叩いた。


「この忙しさで家元も身体の調子がよくありません。

我が家がこんな大変な状況なのに、貴女まで私を煩わせないで頂戴!

忙しいのよ!!」


語尾を震わせ私を怒鳴った。


頬を押さえて母を見る。


母は、怒っている。


どうして?

私は怒られるようなことをしようとしているの?




兄のゴシップに関していえば、世間の興味は早々に新しいゴシップに移り、当初の混乱からは落ち着きを取り戻した。



だけどやはりイメージダウンは避けられなかった。

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