我妻教育〜番外編〜
私は、自分のことばかり考えているわけではない。


家の状況だって、いつも気にしている。


意識して現状把握に努めている。


だからこそ、ここまで知っているのよ。




「お母様。我が家は今どのような状況なのですか?

忙しいなら、私にも手伝わせてもらえませんか?」


「琴湖が心配することではありません」



「…縛るのに、茅の外なのですね」


ほら、やっぱり関わらせてもらえない。


いつもそう。投げやりな気持ちになる。



いつもなら、はい、わかりましたと引いていた。

だけど、もう引くつもりはない。


キッと強く母の目を見た。


「何と言われようとも、私は行きます!」


「何馬鹿なことを言っているの!貴女には無理です」

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