我妻教育〜番外編〜
「無理かどうかなんて、挑戦してみなければわかりませんわ」


「琴湖は、身体が弱いでしょう!」



「見てわかりませんか?私はもう健康です!」


「口答えしないの!」



「いいえ!聞いて下さい!
一度くらい、ちゃんと私の話を!」


「…!」



母に対して、こんなに強く声を出したのは初めてだった。


母も私の勢いに、戸惑いを隠せていない。



「お母様は、覚えていらっしゃいますか?

昔私が看護師になりたいと言ったこと。

お母様は、お嫁さんになりなさいとおっしゃいました。

私は言われた通り、そうなるのだと言い聞かせて生きてまいりました。

私が今までどのような気持ちでいたか、お分かりでしょうか?

竹小路流を叩き込まれ、そして追い出される。

今までは、それでいいんだとあきらめていました。

だけど…」

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