我妻教育〜番外編〜
そして、母は、


「はっきりと言っておきます。

貴方がうちの娘に何を吹き込んだか存じませんが、琴湖は海外ボランティアなんて行かせませんから!」


語尾強く言い放った。



「お母様!吹き込むだなんて!
綾人さんは、別に何も…!」


「琴湖は黙っていなさい!!」


高圧的な母の声にビクリとした。


吹き込むだなんて、なんて失礼な言い方…。


ただただ申し訳なくて綾人さんの顔を見たら、綾人さんは、少しも動じることなく「大丈夫」と私に微笑んだあと、


「もちろん僕も反対していますよ」


母に向かってはっきりとそう言った。


「ですが、琴湖ちゃんは本気です。

僕の立場で、できる範囲の協力について、琴湖ちゃんのご両親にもお話しておきたいことがあります」

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