我妻教育〜番外編〜
「何を言っても、私は反対です」


聞く耳持たずといった風に、終始険しい表情を崩さないまま、母は私を残して先に帰って行った。




私は綾人さんを見つめた。


「どうして…」


反対していたはずなのに、…いえ、嬉しいんだけど、どうして…?


綾人さんは、肩をすくめた。


「君の気持ちがどこまで本気なんだろうって、今まで見極めてた。

だから、医療支援隊が行くことを黙ってたんだ。

君の心意気を疑っててゴメンね」


ゴメンね。と言った声が甘く響いて、思わず硬直してしまうくらい緊張した。



「いいえ」

勢いよく首を振って、ドギマギした気持ちを吹き飛ばす。



「本気だとわかったから。
僕もできる限り協力するよ」


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