我妻教育〜番外編〜
「ありがとうございます!」

思い切り頭を下げた。



「お礼を言うのはまだ早い。
まだ行けるとは決まっていないよ。

ご両親の許可がなければ連れていくことはできないからね。

ご両親の説得できるかどうかは、すべて琴湖ちゃん次第だ」



突き放すような空気はもうなかった。


私に向けられるのは、いつもの柔らかな笑顔。


よかった。

綾人さんが私の味方になってくれた。


嬉しいわ。


ジワジワと染み入ってくる。



「はい。わかっています」


頭が痛い。また涙が出そうで。




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