我妻教育〜番外編〜
母を呼び止め、用意していた資料を差し出した。


「医療支援隊の皆さんともお会いしたんですの。

詳しい行程が決まったんです。
こちらがその行程表になります。

どうぞご覧下さいな」


無言の母に、構わず説明する。



「…ったく。本当にあきらめの悪い子ね。

貴女がこれほどしつこいとは知りませんでした」


うんざりと眉間にシワをよせて、母はしばし沈黙した。


そして、目を閉じ息を吐き、私の顔をうかがい見た。


「夏休みの宿題は、きちんと済んでいるんでしょうね?」


「ええ。それはもちろんですわ。
学業を怠ったり致しません」



「…なら、結構です。

好きになさい。
どこへ行って、何があっても知りませんからね」


「え…」


それって…。


突き放すような口調だったけれど、これって私の旅を許可してくれたってこと!?
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