我妻教育〜番外編〜
さっき、久しぶりに孝さまの夢を見た。


本当なら、もうすぐ実際に会えたはずなのに…。


私は、自分でそのチャンスを棒にふってしまった。


神様は、夢で我慢しろと、そうおっしゃるの?


孝さまに会うなんて、私には贅沢だと?


私が愚かだったの?



…―そう、愚かで哀れで滑稽だわ。


目と鼻の奥がツーンと痛む。

堪えがたくて、強く眉間をしかめた。



「…綾人さん、どうか、笑って下さいな」

天井を見たまま、呟いた。


「え?」


「…罰があたったんですわ」



「罰?」

綾人さんの困惑した声。


こんなことになったのは、きっと罰があたったからだ。


だから、今の私にはきっと懺悔が必要だった。



「変わりたい。

そのために、大きなことに挑戦したい。

その気持ちに嘘はありませんでした。

挑戦して人生を変えたい。

だけどその挑戦自体、孝さまがいない場所なら意味がなかったんです。

考えの根本がヨコシマだったんです。

どんな理屈を付けてみたって、私は…‥

孝さまにお会いしたかった…」
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