我妻教育〜番外編〜
強く瞳を閉じた。

震えるまぶたから、涙が止めどなく流れていく。



綾人さんの前で泣くなんて、綾人さんの迷惑になる。


なのに、一度溢れた思いは、止められなかった。




孝さまは、王子様。



まさにその言葉に、集約される。





遠い。果てしなく気高い。


強く、雄大で、遥か彼方。


私にとって、孝さまは、そういうお方なのだ。





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