我妻教育〜番外編〜
「琴湖!母さんも!来てくれてありがとう!」
姉は満面の笑みで歓迎してくれた。
「琴湖、髪!切ったんだ。短いのも可愛いじゃん!」
「ありがとうございます」
「琴湖、身体は大丈夫?ゴメンね、見舞い行けなくて」
「いいえ。お姉さまはお忙しいでしょうから。
私ならもう大丈夫ですわ」
「そっか、良かった」
「それよりも、素晴らしい作品ですわ」
会場内を見回し、姉を讃えた。
「ありがとう。私も良いデキだと思ってるんだよね」
ヘヘヘと、姉は照れ笑いして見せた。
それから、少し顔をしかめた姉は声を抑えて、私と母に耳打ちした。
「どうも、私が竹小路家の人間だってこと、噂が流れ出してるみたいなんだよね」
「まぁ…」
私と母は、顔を見合わす。
姉は、自分が竹小路家の人間であることを隠して、フラワーデザイナーとして活動をしていた。
勘当された身であることに加え、七光りだとか、そういう色眼鏡で見られたくなかったからだ。
姉は、頭をかいた。
「ま、仕方がないか。
いつかはバレることだって覚悟はしてたし。
私がどこの誰かってことは、切っても切れないことだからね。
それに、うちに生まれたからこそ、華と出会えたんだから」
姉は華奢な肩をすくめて開き直った。
姉は満面の笑みで歓迎してくれた。
「琴湖、髪!切ったんだ。短いのも可愛いじゃん!」
「ありがとうございます」
「琴湖、身体は大丈夫?ゴメンね、見舞い行けなくて」
「いいえ。お姉さまはお忙しいでしょうから。
私ならもう大丈夫ですわ」
「そっか、良かった」
「それよりも、素晴らしい作品ですわ」
会場内を見回し、姉を讃えた。
「ありがとう。私も良いデキだと思ってるんだよね」
ヘヘヘと、姉は照れ笑いして見せた。
それから、少し顔をしかめた姉は声を抑えて、私と母に耳打ちした。
「どうも、私が竹小路家の人間だってこと、噂が流れ出してるみたいなんだよね」
「まぁ…」
私と母は、顔を見合わす。
姉は、自分が竹小路家の人間であることを隠して、フラワーデザイナーとして活動をしていた。
勘当された身であることに加え、七光りだとか、そういう色眼鏡で見られたくなかったからだ。
姉は、頭をかいた。
「ま、仕方がないか。
いつかはバレることだって覚悟はしてたし。
私がどこの誰かってことは、切っても切れないことだからね。
それに、うちに生まれたからこそ、華と出会えたんだから」
姉は華奢な肩をすくめて開き直った。