我妻教育〜番外編〜
「琴ちゃんたら、プリプリしないでよォ~」


「プリプリさせているのは白雪でしょ」



「何なに?!何の話だい?!恋だって?!

楽しそうな話してるじゃないか!

ボクも話の仲間に入れておくれヨ(σ≧▽≦)σ」


ちょうどすれ違ったジャンが、話に割って入ってきた。


「ジャンには関係なくってよ」


「そんなァ!Σ(´д`;)
仲間外れだなんて、ヒドイじゃないかァ」



教室に入り席につく。


ジャンもスネて口を尖らせたまま席に戻って行った。



頬杖をつき、窓の外を見上げる。


まだまだ暑いのに、空は秋っぽい雲になっている。



恋、恋、恋って。


だいたい恋ってどんな気持ちをそう言うのかしら?


恋なんて意識してしたことないから、どういうものを恋っていうのかなんて、分からないわ。



将来は、お見合い結婚するんだと言われてきたから、恋なんてしたって無駄だと思っていた。


…だけど、私だってこれから自分で未来を選ぶ強さと輝きを手に入れるんだ。

姉や未礼嬢のように。


具体的なビジョンはまだだけど、だからこそ興味あることに挑戦してみる。


その過程でビジョンは定まって、先は長いけれど少しずつ変わっていく。



その道のりの間で、世の中の多くの人々が、素晴らしいという“恋”というものを私も得ることがあるのだろうか。



興味がないと言えば、嘘になる。


だって、人が知ってて自分だけ知らないことがあるなんて、しゃくな気もするじゃない?



…まぁ、今の私の楽しみは、グリーン☆マイムだから、それどころではないんだけれど…。
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