我妻教育〜番外編〜
「実は今日、父に、私を次期家元候補にしたい、とお話を頂いたんですの」


ショッピングセンターでの買い物を終え、グリーン☆マイム本部に戻る道すがら、綾人さんに打ち明けた。


自分のことをあまり話さないとよく言われる私だけれど、綾人さんには聞いて欲しかった。



「スゴいじゃないか!」


「まだ、候補の一人にってお話なんです。

でも、もしも、もしもですけれど、家元になれれば、私にしかできないことで、グリーン☆マイムの活動に協力することができますわ」


自分から話しておいて、もじもじとしながら綾人さんの顔をうかがい見た。



「嬉しいよ。ありがとう!!」


嬉しい。


――そう、綾人さんのその笑顔が見たかった。



「そうおっしゃって頂けると私も嬉しいですわ」


そう、例えば、花を使った慈善活動なんてどうだろうか。


孝さまの役に立てる。

綾人さんも喜んでくれる。



ジャンも言ってたじゃない。

スケートで成功して、グリーン☆マイムの活動に協力するんだって。



将来の夢を語ること。


そんなとき、いつも茅の外だったけれど、ようやく私も戯れ言のような夢だって語ることができる。



変わったとおっしゃって頂いたものの、いまいち自分の変化を実感出来ずにいたけど、変化ってこういうことなんだわ。
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