我妻教育〜番外編〜
ボクは、うれしくて、舞い上がっていた。


心はカラっと晴れ上がった夏の空。



でも、窓の外は、雲行きがあやしくなっていた。


すぐにでも雨が降りそうな…。




勝負というのは、もっともフェアだと思っていた。


順位が上がる者がいれば、必ず下がる者がいる。



すべては自分次第、努力次第っていうか。


勝負で負けたら、また勝負で取り返せばいい。



−なんて、世の中そんな単純なものではなかった。



ボクは甘くみていたようだ。



わかりやすく言うと、ボクが上位にいくことを気に入らないと思う人間がいたとして、
ボクを倒したいから、といって正々堂々と勉強して向かってくる者ばかりではないということを。



< 56 / 493 >

この作品をシェア

pagetop