我妻教育〜番外編〜
腕を強引につかんで引きずり出そうとした。



クラスが騒然とした。



ボクは抵抗する。


「違う!ボクは、カンニングなんてしていない!」



「いいから、来なさい。
みんなはテストを続けてて」


ティーチャーは、失望と侮蔑の瞳をボクにむけた。



「本当だ、信じてくれよ!!」


ボクの叫びなど誰にも届かなかった。



クラスメイトの白い目がボクに突き刺さる。



啓志郎も冷めた目でボクから目をそらした。



引きずり出されるように職員室に連れていかれ、その日は、家に帰された。



誰もボクを信じてはくれなかった。



外は大粒の雨。



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