我妻教育〜番外編〜
「掃除はしなくっちゃ!
他のみんなも頑張ってるんだしね!」


悪い空気を変えようと、明るく言った。



「だから、何様だっつってんだよ!
オレらに指図すんじゃねぇよ」


鶴ノ宮クンは、ドンっとボクを突き飛ばして、不機嫌な顔で睨みつけてきた。



ボクは、よろけて地面に手をついた。


湿った土の感覚がした。



今朝まで降っていた雨が、体育館で日陰になっているせいで地面は完全に乾ききっていなかった。



ボクが知っている鶴ノ宮クンとは、まるで別人みたいだ。



孤高で群れない啓志郎に代わって、ずーっとクラスをまとめるリーダーみたいな立ち位置にいたのが鶴ノ宮クンだ。



実際、クラス委員のボクより、みんながついていってる感がある(ーー;)



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