我妻教育〜番外編〜
「ヒィッ」

悲鳴を上げて、キラトは後ずさりし、石を投げ捨てた。


ボクの腕も勢いよく解放された。


ボクは、目をパチクリさせた。



啓志郎だ。



どうしてココに?!


でも間一髪助かった。


ボクは慌ててカメオを拾い上げ、無事を確かめ、ため息をついた。



鶴ノ宮クンたちの空気が張り詰めている。



啓志郎は、不機嫌に眉をひそめた。


「鶴ノ宮。こんなところで何をしていると聞いておるのだ」



鶴ノ宮クンは、緊張して肩に力が入っている。


気まずそうに目をそらしながら渋々口を開いた。


「オレ…いや、僕は、梅乃木くんに、カンニングはいけないってことを教えてただけだよ」



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