我妻教育〜番外編〜
声が、さっきまでとは別人のようだ。


啓志郎に対してはいつもそうだけど…。


「だってさ、松園寺くん、正々堂々と試験を受けない奴がいたら、不公平じゃないか。

みんな真面目に試験を受けて、順位がついているのに。

それに、カンニングするような奴は松葉学院の1組にはいらない。

そうだろ?松園寺くん」


こびへつらうような、そんな声で鶴ノ宮クンは、啓志郎の機嫌をチラリとうかがった。



「…そうだな。
カンニングして勝ったところで意味などあるまい」


同調した啓志郎の冷たい視線がボクに突き刺さった。



「ボクは、誓ってカンニングなんてしない!」


ボクは心からうったえかけた。

誰も信じてくれなくても、おばあちゃまは、信じてくれるはず。


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