我妻教育〜番外編〜
どこからどう見ても完璧なキミには、怖いものなんてないんだろうな。



悔しいけれど、現時点でボクの上に立っている男だった。




「邪魔よ。どいてくださる?」



突然、啓志郎の前に立つボクの後ろから声がした。



振り返ったボクを素通りして、竹小路 琴湖(タケノコウジ コトコ)が啓志郎の側に立ち、


「ごきげんよう。啓さま」


と、啓志郎に挨拶をした。



「おはよう。琴湖」


啓志郎もすぐに挨拶を返す。



琴湖は、啓志郎の幼なじみってやつだ。



日本最大の華道の流派、竹小路流家元の令嬢だ。




< 9 / 493 >

この作品をシェア

pagetop