パレットネーム



「マジメく…」


「聞いてたんだ。」


「え?」


「竹刀に彼氏ができたこと。」



ズキン



マジメくんが、苦しそうに笑った。


見たくないよ、キミのそんな顔



「なんで黙ってたんだ?おかげで俺、竹刀から直接聞いちゃったよ。ははっ」



「ご…めん。そんな顔してほしくなくて…」



「馬鹿やろう、誰から聞いてもこんな顔するっての。」



そして、一瞬だけ私をぎゅっと抱きしめて




「でも、ありがとう。さっきも、ヘラヘラしてんじゃねぇよって怒ってくれたんだろ?」




と言った。




「マジメくん…っ!」



「俺、諦めねぇよ!!」




最後にニカッと笑って、また教室に入っていった。





ほんの少し、目のまわりが赤かった。




苦しいんだ。



マジメくんは相当苦しんでるんだ。




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