甘いキスは放課後に
デスクについた肘、掌に顎を乗せて明後日を尊く見つめ続ける私に、紗恵はとうとうため息をついた。
「で、どうすんの?こんままこの草が起きるの待つの?
悪いけどそんなのごめんだよ。だったら先帰るわ」
うっさい黙れ。私だって帰りたいわ。もういっそ放り出して帰るわ。草とは随分な言われようだ。まあ、このイケメンが過去に例を見ないほどの草食系だったのは、確かだが。言われてみれば究極の草食系は、もう草なのかもしれない。……駄目だ現実を見ろ。逃避したくてしょうがないオーラを出すな、私の思考よ。
でも口には出さず、ぐうの音も出ない、というまでに明後日を愛しく見つめ続ける私に、紗恵は苦情の策……でもなく無難な解決案を提示した。
「仕方ないでしょ。明日にでも埋め合わせするんだね。私も手伝うから。
とりあえず、今日はもう帰ろ。草なら、どうせすぐには起きないだろうし。私的にはもう満足だし」
だよなあだよなあ。やっぱそれしかないよなあ。最後の「私的には満足」ってのが気になるけど、それじゃ、