甘いキスは放課後に
「そ、イケメン」
「若いだけだろ」
呆れた。そんだけでこんなにも朝から…。
私はゴールデンウィークのほうで頭がいっぱいだ。もっと有意義な過ごし方があったのではないか。どうやらタイムマシンはなかったらしい。
紗恵がチッチッと舌を鳴らす。
「そーれが、違うんだよねー。
さっき写メったの見たんだけどさ、あれは本物のイケメンだわ」
「撮ったの?あほらし」
だったら偽物のイケメンって何だ。
「まーでも、本当だったよ」
「そうすか」
私は興味が失せたというように、適当な返事を返した。
「まあ、見てみなよ。
全校朝会で紹介されるだろうから」
「眠るかも」
やば、言ってるそばからあくびが…。