17回の悪戯.

4.




最期まで人を信じられなかった人はこう言った.


だって僕は自分にしかなれない.
他の存在にはならない.
だから今目の前で泣いてくれている君が、
本当に悲しんでいるのかはわからない.
今見ている世界が本物なのかがわからない.
僕が死んだら君たちは、
ただの機械に戻るかもしれないし、
幻となって消え行くかもしれない.


信じたいけど、
僕は君ではないからわからない.

僕は最後まで僕なんだ.

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