新しい関係
 花撫の耳元で良幸が話し続けるので、花撫は耐えられなくなって、逃げようとした。
 だけど、良幸は花撫を縛りつけているので、花撫は逃げるどころか、動くことすらできない状態に陥っていた。

「良幸の意地悪!」
「俺はただ、昔話をしているだけだろ?」
「どれも私が耳を塞ぎたくなる話ばかりよ!」
「じゃあ、塞いだらどうだ?」

 両腕も上げることができないように、良幸にしっかりと抱きしめられている。
 持っていたペンがコロコロとテーブルの上を転がった。

「できない・・・・・・」
「俺に好きなようにされたいからか?」
「違う!」
「俺の望みをお前が叶えるのなら、これ以上しない」

 このまま何もしないのは嫌だったので、花撫は良幸の願いを聞くことに決めた。
< 5 / 7 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop