片恋綴
美春はあれ以来、俺と目が合うと、ぱっと目を逸らすようになった。
もしかしたら、バイトに来なくなるかも、と危惧したがどうやらそれはいらぬ心配だったようだ。
何にでも一生懸命な美春が仕事を投げ出すはずがなかった。
意外にも俺はまだ美春のことをよくわかっていないらしい。それなら、これからどんどん知っていきたいと思えるし、それが楽しみでもある。
「なんか、いいことありました?」
真宏がにやにやてしながら近付いてくる。どうせ、結城から聞いていて知っているはずなのにわざとらしい。
「お前は、意外と地に足がついてるよな」
俺が言うと、真宏はきょとんとした顔をした。
「美春ちゃんには空中浮遊する海月って言われましたけど?」
確かに、一見するとそうだろう。掴みどころがなく、ふわふわとして、何を考えているかわからない男。
そう見えてもこいつはきちんと周りを見て行動をしているように思えたから。そして、確りと自分を持っている。
それは少し羨ましくも思えた。
「お前、やっぱりカメラやれよ」
俺は少し古くなったカメラを真宏に差し出す。以前から、真宏がカメラを構えることはなかった。
写真に興味ある、と言っていたのに。
もしかしたら、バイトに来なくなるかも、と危惧したがどうやらそれはいらぬ心配だったようだ。
何にでも一生懸命な美春が仕事を投げ出すはずがなかった。
意外にも俺はまだ美春のことをよくわかっていないらしい。それなら、これからどんどん知っていきたいと思えるし、それが楽しみでもある。
「なんか、いいことありました?」
真宏がにやにやてしながら近付いてくる。どうせ、結城から聞いていて知っているはずなのにわざとらしい。
「お前は、意外と地に足がついてるよな」
俺が言うと、真宏はきょとんとした顔をした。
「美春ちゃんには空中浮遊する海月って言われましたけど?」
確かに、一見するとそうだろう。掴みどころがなく、ふわふわとして、何を考えているかわからない男。
そう見えてもこいつはきちんと周りを見て行動をしているように思えたから。そして、確りと自分を持っている。
それは少し羨ましくも思えた。
「お前、やっぱりカメラやれよ」
俺は少し古くなったカメラを真宏に差し出す。以前から、真宏がカメラを構えることはなかった。
写真に興味ある、と言っていたのに。