片恋綴
永久さんはゆっくり決めて、と綺麗な笑顔で言ってくれて、出会ったときを思い出した。
友人のお姉さんの結婚式に招待され、私はセットアップをするのにこの美容室をする予約した。いつも、通りから眺めていて、こんな美容室に来てみたいと思っていたのだが、料金が高く、諦めていた。
でも、折角の結婚式だし、と奮発する思いでここを選んだのだ。そして、そのとき、私を担当してくれたのが永久さんだった。
多分、一目惚れ。
セットアップをしてもらう三十分足らずの間で私は彼に恋をした。そして、こんなふうに通うようになったのだ。
それから二ヶ月が過ぎた頃、一緒に来てくれた友人が皆でご飯でも行きましょう、と彼を誘ってくれて、一緒に食事に行き、メールアドレスを教えてもらった。
普段、お客さんとはこういうことしないから内緒ね、と人差し指を唇に当てる彼を見て、舞い上がった。でも、何となく、そこに望みなんてないことに気付いてはいた。
それからは他愛のないメールをしたり、こうして店に通ったりしてはいたが、二人で会うという流れには決してならなかった。なのに、先日、食事に行こう、と突然誘われたのだ。
その理由は知らないし、嬉しいことが勝り、訊かなかった。
そしてその翌日、私は生まれて初めて告白というものをされた。相手は永久さんではなく、兄の友人で、短期のアルバイトをさせてくれている人。
友人のお姉さんの結婚式に招待され、私はセットアップをするのにこの美容室をする予約した。いつも、通りから眺めていて、こんな美容室に来てみたいと思っていたのだが、料金が高く、諦めていた。
でも、折角の結婚式だし、と奮発する思いでここを選んだのだ。そして、そのとき、私を担当してくれたのが永久さんだった。
多分、一目惚れ。
セットアップをしてもらう三十分足らずの間で私は彼に恋をした。そして、こんなふうに通うようになったのだ。
それから二ヶ月が過ぎた頃、一緒に来てくれた友人が皆でご飯でも行きましょう、と彼を誘ってくれて、一緒に食事に行き、メールアドレスを教えてもらった。
普段、お客さんとはこういうことしないから内緒ね、と人差し指を唇に当てる彼を見て、舞い上がった。でも、何となく、そこに望みなんてないことに気付いてはいた。
それからは他愛のないメールをしたり、こうして店に通ったりしてはいたが、二人で会うという流れには決してならなかった。なのに、先日、食事に行こう、と突然誘われたのだ。
その理由は知らないし、嬉しいことが勝り、訊かなかった。
そしてその翌日、私は生まれて初めて告白というものをされた。相手は永久さんではなく、兄の友人で、短期のアルバイトをさせてくれている人。