片恋綴
「ま、好きに撮ってみなよ」
原崎さんはそれだけ言い、佐南さんの後を追い掛けて言った。
結局、何て言うかいい方向に転んだとしか言えなかった。行動してみるのが悪いことでないと思える。
原崎さんの誘いに乗らなかったら佐南さんからカメラを貰うことなんてなかっただろう。原崎さんがどんなことを考えてこんなことをしたのかはわからないが、感謝したい気持ちになったのは事実だ。
俺はカメラを抱えて、現場へと急いだ。