あの日君と出会った
このサークルは正直変な奴ばかだなと思った。
首からカメラをぶらさげてなにかあるごとに写真をとっていた。
俺がくしゃみをしたらそれも撮る。
奇妙な集団なだけだな。そう思った。
「は?お前カメラ持ってないの?」
そう。
俺は自分のカメラをいうものを持っていない。
持っていてもデジカメ。
あんなゴッツイカメラなんか持ってない。
「まぁ買わなくていいよ。買いたくなるくらいはまったらにしなさい。」
髪のボッサボサな女性にそう助言された。
絶対。
あんなゴッツイカメラ買わない。
将来つかわないだろ。
サークルは月一で集まってみんなで写真を見せ合ったり、たまにはコンクールにも応募したりした。
なんと俺も参加しなければならなかった。
なんで・・・・。
俺は、町でみかける写真をとっている人に偏見を持っていたのだった。
まさか、自分がその立場になるとは・・・・。
辞めようかなとも思った。
月一のサークルに行かない日もあった。
だけど、俺は次第にハマっていったのだ。
空。
雲の模様。
風。
鳥。
それらを撮ることに・・・どっぷりはまってしまった。