それぞれの物語

夢と別れ

しばらくしてチャイムが鳴った。

「あ、はーい!」
友達のお母さんの後に続くように
私も友達も立ち上がった。
玄関の扉の開く音がすると、
立っていたのは約束通り来ていた母だった。

「ママ!ちゃんと来たね!」
ママに勢い良く飛びつくと
驚いた顔をして
「本当に甘えん坊さんになっちゃって!どうしたのよー」
というと続けて
「こんにちは、いつもお世話になってます。突然お願いしちゃってすいません。」
「いえいえ、この子も喜んでますので全然大丈夫ですよ!」
「あぁ、それは良かったです。えっとこれ、少ないですが、どうぞ。」
「あぁ!わざわざありがとうございます!今日頂きますね!」

「ママ、帰っちゃうの?」
「え?あぁ、帰るわよ。はい、パジャマとか歯ブラシセットとか入っているからね。」
「う、うん。でも嫌だよ」
「え?」
「ママが帰っちゃうの。」
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