手紙~前世の想い~
そして最後かもしれないデートをした。
家の近くのデパートへいったりゲームセンターに行ってプリクラもいっぱいとった。
すごく楽しかったけど、帰り道二人とも空気が暗かった。
「あの‥さ、私の記憶‥だんだんなくなっていって自分がどこに住んでたかも学校のことも忘れてしまって‥もしかしたら浩太のことも忘れてしまうかもしれない‥だから‥」
また別れよ?と言われるのではないかと胸が苦しくなった。
「だから‥私の記憶がなくなるまで手紙交換していい?」
『‥あぁ、いいよ‥』
「もう、あんな苦しい想いしたくないし‥」
『だな‥』
家について美幸は俺が曲がり角を曲がるまでずっと手を降っていた。
口は嬉しそうな顔をしていたが、目が悲しんでいた。